若きリーダー
先日お会いした、大西仁美さんにも刺激を受けましたが
日経ビジネスに掲載された、工藤啓さんの記事にかなり
心が動かされました。若い企業家と言うだけでなく、彼の
生い立ちにもとても関心を持って読ませて頂きました。
「同居人30人」 の幼少期
多感な幼少期を彼は一風変わった環境で過ごした。それ
は、父親が不登校の子どもやひきこもりの若者らへの学習
指導を行う傍ら、登校拒否生徒を自宅などに家族同然に
住まわせ、社会復帰を支援する活動を長年続けている。
「常に30人くらいが自宅に住み込んでいた。そうした環境
だったから、そういう方々への偏見がないまま成長しまし
た」
彼は、部活のサッカーに打ち込みごく普通の高校生活を
過ごした後、大学に入学後は、アルバイトに明け暮れる
日々を送っていた。
転機が訪れたのは、大学1年時の夏休みに米国旅行で
知り合った台湾からの留学生グループに留学の理由を
尋ねたら予想もしない言葉を返した。
「台湾はいつ中国からミサイルが飛んで来てもおかしく
ない。米国に市民権があれば家族の避難先になるが、
それには給料の高い会社で働き、税金を払い続ける必要
がある。そこにたどり着く一歩としてこの国にいる」
同じ時代の彼らはこんな危機感、使命感を胸に生きて
いる。それに比べ、ろくに大学にも行かない自分は何を
しているのか__。
彼は、大学を中退して米国留学へと旅立った。
世界各国から集うクラスメートは、その多くが数年後には
起業し、将来的に母国に貢献するビジョンを思い描いてい
たことだ。そんな空気に感化され、起業に関心が向き始め
た。
ある仲間が「日本は、様々な分野で規制緩和が進み始め
ている。それに伴いリストラされた中高年の雇用対策に社
会支援が集中するだろう。そうなると若い世代が放置され
る。数年後には就職できない若者が増え、若者への支援と
いうマーケットができるはず。すぐに帰国して起業すべきだ。
そこで彼は若者の失業問題が社会問題になっていた英国
等に視察に出かけた。現地のある支援者は、
「若者を支援する意味、それはソーシャル・インベストメント
(社会投資)だ。投資は経済的リターンを求めるものだが、
社会投資では、あなたが投資した時間や活動により、社会に
よい変化が起こることがリターンだ」
ちょっとしたつまずきから働けず、どこにも居場所がなくなる。
そんな若者たちの存在が身近だった彼にはその言葉が胸に
ストンと落ちた。無業の若者たちが社会に参加し、経済的に
自立できれば、納税者として社会を支える側に回る。自分の
人生をそこに社会投資すれば、日本社会にも役立つ。
帰国後、任意団体として2001年「育て上げ」ネットを設立、
若者を支援する活動を開始した。その後、幅広く活躍の場を
広げている。
2011年被災地で被災者向けの「ITを活用した東北就労
支援プロジェクトを開始。
「被災者の力になりたい、と提案してきてから事業化まで
のスピード感は彼ならでは」 。彼の友人でもある陸前高田
市副市長の久保田氏はこう評する。
そして今、自立支援を海外に輸出しようと構想している。
リーダーとは? 年齢は、問わない。
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